


・4月のゲームセンター
Arcadeという曲の歌詞の解釈から、ふだん大学でやっていることを書いてみました。圧縮された言葉としての詩を解凍する。MVの日本語字幕と比べてみるとおもしろいかもしれません。
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4月15日(水)の日記
大学の英詩の授業で仲良くなった21歳を、平日の午後、クラフトビール屋に連れて行った。「最近飲んでおいしかったやつはこれです」と見せてくれた写真は、珍しいビールばかりだった。私のおすすめのビールを少し飲んで、「え、おいしいです」と言ってにひひと笑った。アルコール度数高めのHazy IPAなので、私も店員さんも彼女を見て「え」と言った。白地に赤い水玉柄のシャツの上に、赤いニットカーディガンを着ている。「ちょっと前までは、紺さんみたくショートだったんです」と、肩に着くか着かないかの毛先をいじりながら言う。森見登美彦の、小柄で酒豪の黒髪の乙女のように見えた。そのあとはパフェを食べに行った。「めちゃくちゃ調べました!」と言うわりに、どこに行きたいか決まっておらず、決まったかと思えば休業日で、そうこうしているうちに雨が降ってきて、もうなんでもいいじゃんの気分と相成り、いつでも誰とでも行けそうなチェーン店の取り立てて褒めるところのない普通のパフェを食べた。ビールで3時間、パフェで3時間話した。どちらの店でも、時間いっぱいで追い出された。よく考えてみれば、たとえば朝9時から夜9時までずっとしゃべっていても、追い出されないのが大学だ。たいした注文をせずとも、学食でしゃべっていられる。それってすごいことだよと言ったら、「ドリンクバーとか欲しいですよね」と言われて、いやいやいやいや、自販機あるだろうがよ、と突っ込んだ。何かの流れで彼女のキャベツの話になり、盛り上がり、それがその日に話していたテーマと重なった。キャベツで詩を書けるねと言った。ほら、こうやって、と即興で韻を踏んで作詩した。一瞬、彼女の動きが止まった。そのあと、技巧的なわけがわかったらしく、吹き出して腹を抱えた。詩はこういう瞬間を切り取るものだと思う。

